養子縁組と相続放棄 【本文】

養子縁組をすると相続税対策になると言われるのは、これをすると相続人の人数が増えるからです。
これは相続放棄をしたときも変わらないため、養子とした相手が実際に財産を受け取るかどうかはともかく、養子縁組をした時点で相続税対策になります。

まず相続人が増えると税金が減るのは、相続税には基礎控除があり、これには相続人の人数に応じた枠があるからです。
1人あたり600万円と決まっています。
相続人が3人なら1800万円ですが、5人なら3000万円まで非課税となります。
相続人が多いほど税金がかかりにくくなるのは、その方が基礎控除が大きくなるからなのです。

この相続人になれるのは、基本的には被相続人の親族です。
それも戸籍上、近い関係があるほど優先的に相続人になります。
赤の他人ではなれないのですが、養子縁組をして被相続人の子供になった場合、人数に制限はありますが相続人になれます。

ちなみに人数制限ですが、被相続人に実子がいる場合は最大1人まで、実子がいない場合は最大2人まで、養子が相続人となれるのです。
養子がいるだけ、無限に相続人を増やせるわけではないのですが、養子縁組をすれば相続人が最低1人は増えるため、それだけ相続税対策にもなります。

そしてこれは、その養子が相続放棄したときも変わりません。
養子に限らず、基礎控除のときにチェックする相続人の人数には、相続放棄をした人がいても関係ないのです。
相続人が本来5人いたとして、そのうち2人が相続放棄したとしても、相続税の計算をするときは5人の相続人がいるものとして計算をします。
そのため、仮にその養子に財産を相続する意思がなかったとしても、養子縁組を終えた時点で相続人の人数が増え、それだけ節税につながります。

このようになっていますから、本当に少しでも相続税を減らしたいなら、養子を迎えるのはいい方法です。
ただし、その人数には気を付けてください。
先ほどご紹介した通り、相続人に追加できる養子の人数は制限されています。
実子なら5人でも10人でも制限なく相続人になれますが、養子は1~2人だけです。
実子がいれば1人しか養子の相続人の枠がないため、それ以上に養子縁組しても、少なくとも節税効果はありません。

また、相続人となる実子は戸籍上の関係があれば対象となるため、大昔に認知した子供が1人でもいれば、養子縁組で増やせる相続人は1人だけとなります。
今付き合いがなかったとしても、実子がどこかに1人でも生きていれば、養子縁組は1回だけにしておくといいでしょう。