相続対策・非嫡出子との養子縁組

相続対策として、養子縁組が利用されることもあります。
相続税は法定相続人が多いほど基礎控除が大きくなるため、養子を取ってこの枠を増やし、税金をかかりにくくするのが目的です。
税金の計算に加えられる養子の人数には制限があるため、その規定はよく確認する必要がありますが、これである程度の相続税対策ができるのは事実です。
そのため誰かを養子にすることを考えている方もおられるでしょうが、このときに選べる相手に非嫡出子がいます。

これも一応は有効な方法の1つです。
非嫡出子とは、結婚していない相手との間に生まれた子供のことです。
母親はその子を産んでいるため、血のつながりがあることは明らかですが、結婚していない男女間に生まれた子供になるため、父親が誰なのか、はっきりしないことも多く、争いになることも少なくありません。

父親と思われる相手が認知すれば戸籍上の関係ができますが、父親が誰かハッキリしない場合や、母親が認知を求めなかった場合など、父親は不明の子供として、母親の籍に入ることになります。
このような認知のない非嫡出子がおり、おそらくは自分の子だろうと思う場合、その子と養子縁組を考えるのもいいでしょう。
血のつながりがありますから、このような手続きをするのも比較的自然です。
そして相続前にそれを行えば、法定相続人が増えることで相続税対策にもなります。

ただ、気をつけたいこともあります。
その非嫡出子に対し、自分がすでに認知をしている場合、養子縁組をしても相続税対策にはなりません。
なぜかというと、認知していれば、非嫡出子でも相続人としての権利があるためです。
相続できる財産の量についても、現在は嫡出子との間に差はありません。
つまり非嫡出子でも認知さえしていれば、自分の実子と扱いは変わらないのです。

相続税の計算をするときも、認知された非嫡出子はすでに法定相続人としての権利があるため、その人数1人あたり600万円の基礎控除を得られます。
認知していればすでにこのような扱いになるため、改めて養子縁組をしても、相続税の計算には特に影響ありません。
別の理由で養子に加えたいときなどはいいのですが、相続対策のためだけに養子にすることを考えているときは、あまり効果のない方法となりますから、注意してください。

また、養子は相続税の計算に含められる人数に制限がありますが、実子と同じ扱いの子供なら人数に制限はありません。
認知していない非嫡出子が複数人いるなら、養子縁組するよりも、全員を改めて認知する方が効果的です。
このようなことから、非嫡出子を養子にするのも一応は有効な方法ですが、現在ではあまり主流の方法ではないため、注意してください。