養子縁組の相続

遺産相続の際に残された財産の金額が大きくなればなるほど相続税の負担も大きくなります。
ですから相続税がかかることが想定されるのであれば早い段階で対策を立てておく人が多いのではないでしょうか?

たとえば贈与税の基礎控除を利用して毎年少しずつ贈与を行うというのはよくある方法のひとつだと思います。

しかし贈与税の基礎控除は1年あたり110万円となっていますから、それ以内に抑えなければならないこと、そして毎年それを繰り返していると連年贈与になってしまいトータルの金額が贈与税の対象になってしまう可能性があります。

まず知っておいて欲しいのは相続税の発生するケースで、これは財産のトータルから相続税の基礎控除額を引いた金額になります。
財産のトータルとはプラスの財産から借金や未払い金などマイナスの財産を引き、そこに被相続人が亡くなった後に発生するであろう財産いわゆるみなし財産を加えたものです。

相続税の基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人の数ですから、たとえば法定相続人が5人いる場合は6,000万円が基礎控除額になりますので、財産のトータルが6,000万円を超えなければ非課税となります。
財産のトータルが8,000万円あったとすると、基礎控除額の6,000万円を引いた2,000万円が相続税の対象となるわけです。

ということは基礎控除額を増やせばそれだけ支払う相続税は少なくなるということなので、そのために養子縁組をするという手段もあります。

これはたくさんの財産を相続するときに利用されることのある方法で、以前最高裁で認められた判例をひとつあげると2013年に亡くなった福島県の当時82歳の男性と、長男の息子にあたる孫が養子縁組によって子供となり相続人として認められたケースがあります。

このときに男性の長女と次女が家族関係の悪化を主張して養子縁組の無効を主張しましたが、この訴えを最高裁は棄却しました。

その際に「節税のための縁組でも直ちに無効になるとは言えない」という判断を下していることから、相続税対策のための養子縁組も可能であることが示されたわけです。

ただし養子縁組をするためには「未成年者を養子にする場合は原則として家庭裁判所の許可が必要になる」「養子となる子供が15歳未満の場合は実親の同意が必要になる」「養親の年長者を養子にすることはできない」という決まりがありますので、これに該当してしまうと養子縁組自体ができません。